パーティション分割のメリットとやり方を分かりやすく解説します!!
パーティション分割とはなんぞ?
パーティション分割とは、ひとつの物理ストレージ(HDD・SSD)を仮想的に複数に分割する事です。
HDD・SSDはご存じ沢山のデータを保存しておく入れ物なので、その中身を上手に仕分け・整理整頓できればデータにアクセスしやすくなります。
ストレージ(HDD・SSD)を整理整頓のためのタンスや本棚に例えるならば、パーティション分割は仕切り板を設ける行為、そして仕切り板そのものがパーティションにあたるかと思います。
そしてパーティション分割というのは、データの整理のためというよりもむしろ、バックアップやパソコンの動作の快適さを実現できるという点に大きなメリットがあります。
こんな感じで一つの物理的なストレージ(ドライブ…SSD・HDD)を仮想的に複数に分け、さも2台のストレージがあるようにして操作する事ができるんです。
上の画像は、実際にパーティション分割してあるHDDの様子をキャプチャしたものです。ウィンドウボタンを右クリック ⇒ ディスクの管理 ⇒ の画面で見れます。
120GB(実質119.24GB)の SSD を Fドライブ 70GB と Iドライブ 50GB にパーティション分割していることがビジュアルで分かります。
因みにパーティションを分割することを"パーティションを切る"なんて言ったりもします。
メリット
パーティション分割はメリットが多いです。
そして、パーティション分割のメリットを最も受けられる場合としては、例えばパソコンに搭載されている SSD が1つのみで 500GB とか、HDD がひとつのみで 1TB といった、そこそこ大容量のストレージが1つだけという環境が挙げられます。
最近は量販店系のパソコンでも1TB~2TBのHDDを搭載しているものだと、最初からパーティションが分割されているものもあります。(少ないですが。)
しかしBTOパソコンだと、まだまだカスタマイズしないとパーティションが切られていないものもあります。
特にノートパソコンの場合はストレージが一つのみというモデルは多いかと思いますので、そういった環境の方は是非やっておくことをおすすめします。
ハッキリいってパーティション分割はメリットしかないと思います。以下、メリットについて挙げていきます。
OSに不具合があった時、データが生き残る
例えば、500GB の SSD をCドライブとDドライブに分割し、Cには Windows 10(OS)をインストール、その他全てのデータの保存や、アプリケーションのインストール(Program Files)をDドライブに行ったとします。
そうこうしているうちに、パソコンの動作が明らかにおかしくなり、OSのリカバリー(再インストール)という最終手段を取らざるを得なくなりました。
このような時にパーティション分割をしておくと安心です。
パーティション分割をしていないと、全てのデータがCドライブに入っているため、リカバリーの過程で、ドライブ内の全てのデータは一旦削除されてしまいますから、そこにある全てのデータが消えてしまいます。
一方、パーティション分割をしていれば、OSがインストールされているCドライブに対してのみリカバリーをかける事ができるので、Dドライブのデータが無事で済む、とうワケです。
因みに、『アプリケーションのインストールは別にCドライブでいいじゃん。』という意見もありますが、アプリケーションごとの(環境)設定ファイルがあったりしますよね?
生き残っていれば、リカバリー後に各種アプリケーションをインストールした後の設定が超ラク(ファイルを上書きするだけ)なので、めっちゃ拘りたい場合は別ドライブ推奨です。
こんな感じでデフォルトのフォルダ(デスクトップ・ダウンロード・ドキュメント・ピクチャなど)もCドライブ以外に移しておけば満点でしょう。やり方は以下を参照。
余談ですが昔、Photoshop で超イケてるアクションを沢山作って劇的な作業効率化を実現したのですが、OSの再インストールの際にアクションファイルを残しておかなかったばっかりに、全て無くしたという苦い経験があります…。
OSのリカバリの前って色々バックアップの必要があるので、ついつい「漏れ」があるんですよね。
キャッシュをシステムドライブ以外に設定することで動作が快適に!
アプリケーションソフトは使用中にキャッシュと呼ばれる、言うなれば作業用の一時ファイルを作り、この保存場所(キャッシュ)にアクセスを頻繁に行い、最適なパフォ-マンスを得る仕組みになっています。
このキャッシュの場所を別ドライブに設定することで、Cドライブのランダム書き込みとランダム読み込みが少なくなりますし、ファイルの断片化も起こりにくくなります。
ファイルの断片化が進むと、パソコンの動作が段々遅くなってしまうのです。
例えば Adobe の Photoshop などは、環境設定画面から仮想記憶ディスクを指定することでCドライブ以外にキャッシュを逃がすことができます。(編集 ⇒ 環境設定 ⇒ パフォーマンス。)
最適なパフォーマンスを得るには、仮想記憶ディスクを起動ドライブではなく、M.2 SSD などの高速ドライブに設定するとパフォーマンスが上がります。
ただし、十分な空き領域があればの話となります。パフォーマンス向上のためには是非やっておきたい設定です。
ファイルの断片化を防ぎ動作が快適に!
ストレージ内では常にデータの書込み、削除、保存が繰り返されています。これらの行為が沢山繰り返されるとデータの断片化起こり、データの読み書き速度が落ちていってしまいます。
例えば1つのHDDしか搭載していないパソコンで、『動作が段々遅くなってきたな~。』と感じたら、このファイルの断片化が一因であることが多いです。
そこで、頻繁にデータ操作を行うファイルをシステムドライブから独立させる事で、全体的にデータの断片化を抑える事が可能になります。結果、動作が快適になるという事です。
因みにSSDなら断片化が起こらないという話もチラホラ聞きますが、それは間違いです。コチラに分かりやすい記事がありますので参考にどうぞ。
分割・結合のやり方
では実際に Windows 10 でのパーティションの分割、そして結合の方法を解説します。本当に超簡単なのでサっとチェックしてみて下さい。
分割
画面左下のウィンドウアイコンを右クリックして「ディスクの管理」をクリックします。
画面が表示されるまでちょっと時間がかかる場合がありますから、エラーだと思わずに待ちます。
表示されました。分割したいドライブのボリューム(いわゆるパーティション領域)を選択して「ボリュームの縮小」を選択します。
縮小する領域のサイズを MB で指定します。
見た目で分割されていることが分かります。ただし色が黒で「未割り当て」となっていて、このままでは使えませんので、
未割り当てのボリュームを右クリックして「新しいシンプルボリューム」を選択します。
新しいシンプルボリュームウィザードを開始すると、ボリュームサイズの指定ダイアログボックスが出ます。そのまま「次へ」をクリック。
好きなドライブ文字を選択し「次へ」をクリック。
ドライブ文字(ドライブレター)は好きなもので大丈夫ですが、システムドライブには「C:」システムに準ずるドライブは「D:」というのが一般的なようですね。
あとは結構自由な感じです。
色々と書いていますが、弄らずに「次へ」をクリックで大丈夫です。
これで完了です。
あたらしいボリュームが作成され、さっきまで黒が青になっています。これで完了です。
実際に確認してみると、ドライブが一つ増えています。実際はEドライブを分割したものなのですが、Windows 上では1つのドライブとして認識され、1つのドライブとして扱うことができます。
結合
結合は分割の反対の操作で、パーティションで区切ったボリューム同士を合体させる操作となります。
まずは、結合の前に下準備が必要となります。結合させたいボリュームを右クリックして「ボリュームの削除」を選択。
ボリュームの削除=データの削除なので十分に確認を行ってから「はい」をクリックするようにして下さい。
すると、青のラベルから黒のラベルの「未割り当て」に変わっています。
そしたら、結合元のEドライブを右クリックし「ボリュームの拡張」を選択。
「次へ」をクリック。ここからは基本的に設定など弄らず「次へ」で大丈夫です。
これで完了です。
結合をする最も多いパターン
結合を行うパターンとして、例えば元々1つの 500GB の SSD を C:100GB、D:400GB で使用していたら、C:の容量がいっぱいになりシステムの動作が重くなってしまった場合です。
この時は、D:400GB にあるデータを他のストレージに移し、C と D を結合し、C の容量を確保する方法が賢明かと思います。
Windows 10 でCドライブのベストな容量は?
初心者の方が一番どうしていいか分からないのは、『Windows 10 で、Cドライブには結局幾らくらいの容量を確保すればいいの?』という事だと思います。
これは色々言われていますが、個人的には Cドライブ はシステムファイルのみで、その他のインストール先フォルダや各種データを別領域(別ドライブ)にするのであれば、
150GBあれば十分かと思われます。
システムファイル以外にプログラムのインストール先もCにする場合は、
最低300GB、ゲーミングPCでゲームを沢山プレイする場合は500GB以上は欲しい所です。
因みに Windows 7 でシステムのみの場合、
メモリの搭載容量 | Cドライブの分割容量 |
---|---|
4GB ~ 16GB | 100GB |
24GB | 200GB |
こんな感じでしょうか。
なぜメモリの搭載量によって違うのかと言いますと、実は、メモリを16GB以上搭載すると、Windows 7 の仕様により最初からCドライブの空き容量が少なくなるのです。
詳しく言うと、ページファイルという、使われていないメモリ領域を一時的に保存しておくためにHDD上に用意されたファイルの総量が、メインメモリの容量に比例して肥大化する仕様なんです。
これはMicrosoftのホームページで確認出来るので気になる方はお読みあそばせ。
Cドライブのパーティション分割における確保割合は、とにかくゆとりを持ってという点が非常に重要です。
パソコンを使っている内に、気を遣っていても自然とCドライブって容量喰っていきません?その保険ということですね。
おすすめフリーソフト
また、パーティション分割やその他の操作を安全に確実に行うためのフリーソフト、シェアウェア(有料ソフト)もいくつかあります。
私が実際に使ってみて良かったフリーソフトだと、
MiniTool Partition Wizard、そしてEaseUS Partition Master Freeの2つが優秀だと思います。これらは両方ともシェアウェア版にアップグレードできます。
例えばシェアウェアでは、結合の際にうっかり大事なデータを削除しないようにバックアップを半自動で保存しておいてくれたりします。
因みに、個人的に使ってみて良かったシェアウェアのレビューがあるので、もし良かったら以下のページも参考にしてみて下さい。